面積の公式はなぜ「÷2」がつく? — 三角形も台形も、長方形にもどせばいい
面積の公式は、4つも5つも出てきます。三角形は底辺×高さ÷2、平行四辺形は底辺×高さ、台形は(上底+下底)×高さ÷2、ひし形は対角線×対角線÷2。÷2がつくものと、つかないものがある——ここでこんがらがって、テストのたびに思い出せなくなる人が多いところです。
でも、この4つはバラバラの知識ではありません。ぜんぶ「長方形にもどす」という1つの考え方から出てきます。そして÷2は、暗記する記号ではなく「2つ分作ったから、半分に戻す印」です。それが分かると、覚えるのは4つではなく1つになります。
土台は長方形だけ
面積は「1辺が1cmの正方形が何個分あるか」で表します。だから長方形は数えるまでもありません。たてに3列、横に5列並んでいれば3×5=15個分。たて×横、これだけが最初からある土台です。

ほかの形には、この数え方がそのままでは使えません。だから昔の人がしたことは1つだけ。形を切ったり足したりして、長方形にもどしたのです。
平行四辺形 — 切って移すだけ(だから÷2がない)
平行四辺形は、左にはみ出した三角形を切り取って、右のへこみへ移します。ぴったりはまって長方形になります。

ここで大事なのは、紙を足していないこと。切って置き直しただけなので、広さは変わりません。できた長方形のたては高さ、横は底辺。だから平行四辺形は底辺×高さで、÷2はつきません。
ここで気をつけたいのが「高さ」です。高さは斜めの辺の長さではなく、底辺にまっすぐ垂直に立てた線の長さ。切って移す図を思い浮かべると、長方形のたてになる線がそれだと分かります。
三角形 — 2つ分作るから÷2
三角形は切っても長方形になりません。そこで逆のことをします。同じ三角形をもう1つ用意して、くるりと回して貼り合わせるのです。すると平行四辺形になります。

できた平行四辺形の面積は底辺×高さ。でもこれは三角形2つ分です。知りたいのは1つ分なので、半分に戻す。それが底辺×高さ÷2の÷2の正体です。
つまり÷2は、公式についているおまけではありません。「2つ分作ってしまったから、半分に戻すよ」という手順が、そのまま式に残っているだけです。
台形 — 同じ手が使える
台形も同じです。同じ台形をもう1つ、くるりと回して貼り合わせます。

できた平行四辺形の横はばを見てください。上の辺(上底)と下の辺(下底)が一列に並んでいます。だから横はばは上底+下底。これに高さをかけると2つ分の面積で、半分に戻して(上底+下底)×高さ÷2。
公式を丸暗記すると「上底+下底」がなぜ足し算なのか分からなくなりますが、図で見れば一目です。2つ並べたときの横はばなのです。
ひし形 — 対角線の長方形の半分
ひし形の公式だけ、かけるものが対角線どうしで異なります。これも図で考えます。ひし形を、2本の対角線を辺にした長方形でぐるりと囲むとどうなるでしょう。

囲んだ長方形の中で、ひし形はちょうど半分を占めます(はみ出した4つの三角形を内側へ折り込むと、ぴったり埋まります)。だから対角線×対角線÷2。ここでも÷2は「半分」の印です。
なお、この考え方は対角線が垂直に交わる四角形なら使えます。正方形の面積を対角線から求める公式が同じ形をしているのは、正方形もひし形の仲間だからです。
動かして確かめてみよう
ここまでの4つを、まとめて手で動かしてみましょう。形をえらんで、つまみを右へ動かすだけです。もとの形の輪郭は点線で残るので、「広さが増えていない」ことも目で確かめられます。
平行四辺形だけ÷2がつかないのは、切って移しただけで分身を作っていないから。三角形・台形・ひし形は分身を作ったから÷2です。4つを続けて動かすと、その違いがはっきりします。
覚え方 — 「÷2は分身を作った印」
公式を思い出せなくなったら、式ではなく手順を思い出してください。
- 長方形にもどせるか? → 切って移す(平行四辺形)
- もどせないなら、分身を1つ作って貼り合わせる(三角形・台形)
- 分身を作ったら、最後に÷2
この順番で考えれば、公式を正確に覚えていなくても組み立て直せます。テスト中に「あれ、台形って÷2だったっけ」と迷ったときも、頭の中で2つ貼り合わせてみればいい。
よくある間違いも、同じところから起きます。斜めの辺を高さとして使ってしまう間違いです。高さは、長方形にもどしたときの「たて」。斜めの線では長方形になりません。図にまっすぐな線を1本引いてから式を書くと、この間違いはほとんど起きなくなります。