月の満ち欠けはなぜ起こる? — 動いているのは月ではなく、光の当たり方
三日月の夜、月の暗いほうは消えてなくなったわけではありません。そこにちゃんとあって、光が当たっていないだけです。月の満ち欠けは、月が変形する話ではなく、太陽・地球・月の位置関係だけで決まります。
月はいつも半分だけ光っている
月は自分では光りません。太陽の光を反射して光って見えます。ということは、太陽に向いた側の半分はいつも明るく、反対側の半分はいつも暗い。これは月がどこにいても変わりません。

変わるのは、その月を地球からどの角度で見ているかです。明るい半分を正面から見れば満月、真横から見れば半月、明るい面がほとんど向こうを向いていれば三日月。月の形が変わっているのではなく、こちらの見る角度が変わっている。ここが最初の関門です。
位置で形が決まる
月は地球のまわりを回っています。太陽・地球・月の並び方が変われば、地球から見える明るい部分の割合も変わります。

- 月が太陽と同じ方向にあるとき、明るい面は向こう側を向いていて見えません。これが新月
- 月が太陽と反対側にあるとき、明るい面を正面から見ることになります。これが満月
- その中間で半分だけ見えるのが上弦と下弦
つまり満ち欠けの形は、位置さえ決まれば決まります。逆にいえば、形を見れば月がどこにいるか分かります。
下の図は動かせます。月をつまんで軌道の上をすべらせると、地球から見える形がその場で変わります。
満ちるときも欠けるときも、動くのは右
新月から満月へ向かうとき、月は右側から満ちていきます。そして満月から新月へ向かうときは、やはり右側から欠けていく。だから細くなった月は左側が光って残ります。上弦の月が右半分、下弦の月が左半分なのはこのためです。

「満ちるも欠けるも右から」と一度覚えてしまえば、上弦と下弦を取り違えません。理由は太陽が月のどちら側にあるかで決まっていて、夕方の西の空に見える月は太陽が右下にあるので右側が光ります。
満月が真夜中に南中する理由
月の形と、見える時刻はセットで決まります。満月は太陽と正反対の位置にあるので、太陽が真下(真夜中)にいるときに、月は真上に来ます。だから満月の南中は0時ごろ、東の地平線から出るのは夕方6時ごろです。
これも丸暗記の対象にされがちですが、「満月=太陽の反対側」から素直に出てきます。太陽が沈むころに反対側から出てくる、と考えれば向きを間違えません。
27.3日と29.5日は、なぜ違うのか
月が地球のまわりを1周するのにかかる時間は約27.3日です。ところが、新月から次の新月までは約29.5日かかります。2日ほど長い。
原因は、地球自身も太陽のまわりを動いているからです。月が1周し終えたころには、地球のほうが公転で少し進んでしまっている。同じ「太陽・地球・月の並び」に戻るには、月はその分だけ余計に回らなければなりません。

歩いている人のまわりを走って1周しても、その人は前へ進んでいるので、正面に戻るには少し多く走る必要がある。それと同じことが起きています。
図を1枚だけ覚える
この単元は覚えることが多く見えますが、覚えるのは位置の図1枚です。
月はいつも半分光っている。変わるのは見る角度だけ。

- 形が知りたい → 太陽・地球・月の位置を思い出す
- 時刻が知りたい → 形から位置を出し、太陽との角度で考える
- 周期のずれ → 地球も動いているから、少し余計に回る
日食が新月のとき、月食が満月のときにしか起こらないのも、この図の上で「3つが一直線に並ぶのはどこか」を考えれば出てきます。用語を一つずつ覚えるより、図を頭に置いてそこから引き出すほうが速く、間違えません。