星座の覚え方 — 88個ぜんぶは覚えない。季節の「大三角」からはじめる
夜空の星座は、世界共通の取り決めで全部で88個あります。でも、88個をいちどに覚える必要はありません。小学校の理科で学ぶのは、星の明るさや色、時間がたつと星の見える位置が変わること(学習指導要領・第4学年「月と星」)。つまり大事なのは、夜空のなかに「知っている目印」を持つことです。コツは、まず季節の「大三角」と北の空、3つの目印だけを覚える。物語や色とセットにして思い出すきっかけを増やし、最後はクイズで「思い出す練習」をして仕上げる。この順番なら、夜空がすこしずつ「知っている場所」になっていきます。
88個をそのまま覚えようとしない
星をひとつずつバラバラに覚えるのは、知らない町の駅名を端から暗記するようなもの。すぐにいやになります。そこで、覚える単位を「星ひとつ」ではなく「季節の目印」にします。
- 夏の目印 … 夏の大三角
- 冬の目印 … 冬の大三角
- 北の目印 … 北斗七星と北極星
この3つは、夜空の地図でいう「大きな駅」です。大きな駅さえ覚えれば、まわりの星座はあとから「あの三角の近くにある」とつなげて覚えられます。まずはこの3つだけ。それでじゅうぶんです。
夏の大三角は、七夕の物語で覚える
夏の夜空で目立つ3つの1等星が夏の大三角です。じつはそのうち2つは、七夕の物語の主人公。織り姫はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイルで、2つの星のあいだには天の川が流れています(国立天文台)。残るひとつは、はくちょう座のデネブ。天の川の上を飛ぶ白鳥の尾の星です。

「こと座のベガ」とだけ覚えるより、「天の川のほとりで機を織る織り姫がベガ」と物語ごと覚えるほうが、ずっと忘れにくくなります。人の頭は、バラバラの名前より「お話」のほうが得意なのです。
冬の大三角は、オリオン座の3つ星から
冬の目印は、まずオリオン座を見つけることから。まん中に3つの星が斜めにならんだ、夜空でいちばん見つけやすい星座です。オリオン座の左上に赤く光るのがベテルギウス。そこから、全天でいちばん明るい恒星のシリウス(おおいぬ座)、プロキオン(こいぬ座)とつなぐと冬の大三角になります。

こちらにも物語があります。オリオンは狩人で、おおいぬ座とこいぬ座は狩人が連れた2匹の犬。「犬を2匹連れた狩人」とセットで覚えれば、3つの星座の位置関係もいっしょに頭に入ります。
色のちがいは「思い出すきっかけ」になる
星をよく見ると、色がちがいます。赤っぽく見えるのは、さそり座のアンタレスやオリオン座のベテルギウス。青白く見えるのは、オリオン座のリゲルなど。色のちがいは星の表面温度のちがいで、赤っぽい星ほど温度が低く、青白い星ほど高温です。

「さそりの心臓で赤く光るアンタレス」「オリオンは肩のあたりが赤いベテルギウス、足もとが青白いリゲル」のように、色を手がかりにすると、名前だけの暗記が「見分けられる知識」に変わります。じょうずな覚え方より、自分で見つけた覚え方のほうがずっと忘れにくいのは、どの教科でもおなじです。
覚えたかどうかは、思い出して確かめる
図鑑を見て覚えたつもりでも、思い出す練習をしないと定着しません。晴れた夜に外へ出て、「あれがベガ、あっちがアルタイル」と実際の空で指させたら、それはもう本物の知識です。夏休みの夜は、夏の大三角がちょうど見ごろ。おとなの人といっしょに、街の明かりが少ない場所で見上げてみてください。
のびてんの理科には天体の単元があり、まちがえた問題は忘れたころにもう一度出題されます。大三角と色で覚えたら、クイズで仕上げてみてください。