豆電球はなぜ暗くなる? — 表を覚えずに直列と並列を解く
直列と並列。増やすのは豆電球か、乾電池か。組み合わせは4通りで、それぞれに「明るさ」と「電池の持ち」がある。表にすると8マス。丸暗記しようとすると、試験のときに必ずどこかで取りちがえます。
でも、見るところは2つしかありません。その豆電球に流れる電流と、電池1個が出す電流です。
明るさは「その豆電球に流れる電流」で決まる
豆電球の中には、フィラメントという細い線が入っています。ここは電流にとって通りにくい場所で、電流が通るときに光と熱が出ます。たくさん流れれば明るく、少ししか流れなければ暗い。ただそれだけです。

だから明るさを聞かれたら、考えることはいつも同じです。その豆電球を、どれだけの電流が通るか。 回路全体でも、電池の個数でもありません。見るのは「その1個」です。
乾電池を増やす — 直列は明るく、並列は変わらない
乾電池は、電流を押し出す働きをします。直列につなぐと押す力が2倍になるので、流れる電流も強くなります。

文部科学省の手引きにも、「直列につなぐと、回路に流れる電流が強くなり、電気の働きが大きくなる。並列につなぐと、電流の強さや電気の働きの大きさは、乾電池1個の時と変わらない」と書かれています。
並列は、押す力が2倍になるのではありません。同じ力で押す係が2人になるだけです。だから豆電球を通る電流は1個のときと同じで、明るさも変わりません。
豆電球を増やす — 直列は暗く、並列は変わらない
今度は電池を1個のまま、豆電球を増やします。
直列につなぐと、通り道は1本のまま。その1本に、通りにくい場所が2箇所できます。流れる電流は減り、両方とも暗くなります。片方を外すと、道が切れるのでもう片方も消えます。

並列につなぐと、通り道が2本に分かれます。それぞれの道には豆電球が1個ずつ。1個だけつないだときと同じ道が2本できただけなので、どちらの豆電球も明るさは変わりません。片方を外しても、残った道はそのままなので、もう片方は普通につきます。
直列=1本の道を分け合う。並列=それぞれに道がある。 ここさえ見えていれば、明るさはすぐ決まります。
自分でつないで確かめてみてください。数とつなぎ方を変えると、明るさと電池の持ちがどうなるかが同時に見えます。
豆電球を並列に増やしても明るさが変わらないこと、乾電池を並列に増やしても明るくならないこと。手で動かすと、表で覚えるより早く納得できます。
電池の持ちは「電池1個が出す電流」で決まる
明るさとは別に、もう1つの問いがあります。電池がどれだけ持つか。これは電池1個が、どれだけの電流を出しているかで決まります。たくさん出せば早く減り、少しなら長持ちします。
電池工業会も、「直列つなぎ」は高い電圧が必要な場合、「並列つなぎ」は電圧が低くても長い時間使う機器に用いられている、と説明しています。並列にすると長持ちするから、そういう使い分けになるわけです。
この問いで見ると、明るさとは答えが逆になる場合があるのが分かります。
- 豆電球を直列に増やす → 電流が減る → 暗いけれど長持ちする
- 豆電球を並列に増やす → 電池は2本ぶんの電流を出す → 明るいけれど早く減る
- 乾電池を直列に増やす → 大きな電流が流れる → 明るいけれど早く減る
- 乾電池を並列に増やす → 2個で分担する → 明るさは同じで長持ちする
「明るいのに長持ち」も「暗いのに早く減る」もありません。電気を使えば使うほど明るく、その分早く無くなる。当たり前のことが、そのまま答えになっています。
覚えるのは表ではなく、2つの問い

問題を見たら、順番に聞くだけです。
- その豆電球に、どれだけ電流が流れるか → 明るさが決まる
- 電池1個が、どれだけ電流を出しているか → 持ちが決まる
8マスの表を思い出す必要はありません。回路の絵を見て、道が1本か2本か、押す係が何人かを数えれば、その場で組み立てられます。
覚えたものは忘れますが、組み立て方は忘れません。電気の問題は、そこを試しにきています。