でこぼこの石の体積は、どうやって測る? — 水に沈めれば水面が教えてくれる
箱の体積は「たて×よこ×高さ」で出せます。では、川で拾った、でこぼこの石の体積はどうでしょう。たてもよこも測れないし、マス目に当てても、ふちがマスに合いません。

公式もマス目も使えない——それでも、道具ひとつで正確に測る方法があります。使うのは、水の入った水そうだけです。
水に沈めると、何が起きる?
石を水の中に入れると、水面が上がります。お風呂に入ると湯が上がってくる、あれと同じです。
なぜ上がるのでしょうか。水が増えたわけではありません。石が水の中の場所を取ったので、そこにいた水が押しのけられて、行き場を失った分が上へ乗っかったのです。だから——
上がった分の水の体積 = 水の中に入った石の体積
石がどんなにでこぼこでも、水は石の形にぴったり沿って押しのけられます。でこぼこの分まで、1滴も数え落とさずに。
上がった高さを、かけ算するだけ
上がった分の水は、もとの水面と新しい水面にはさまれた、薄い箱です。底は水そうと同じ広さなので、体積が出せます——底面積×高さ、です。

たとえば底面が10cm×10cmの水そうで、石を沈めたら水面が6cmから8cmへ、2cm上がったとします。上がった分の水の体積は 10×10×2=200cm³。これがそのまま、石の体積です。
石の体積 = 上がった高さ × 水そうの底面積
ひとつだけ注意。水そうは、上まで同じ太さのまっすぐなものを使います。途中で太さが変わる入れ物だと、底面積のかけ算が合わなくなります。
下の動く図で確かめてみてください。でこぼこの石は四角い石と同じ体積にしてあるので、ぜんぶ沈めると同じ高さまで上がるのが見えます。形はちがっても、取る場所の大きさが同じだからです。
測るときの約束
この測り方には、大事な約束が3つあります。
- ぜんぶ沈める。水面から出ている部分は水を押しのけていないので、数えられません。動く図でも、石が水面をまたいでいる間は水面が上がりきらないのが分かります。
- 水を吸うものはダメ。スポンジを沈めると水が中に入ってしまい、押しのけた分が分からなくなります。
- あふれさせない。水そうに余裕をもって沈めます。もし口いっぱいまで水を満たした容器であふれさせたなら、今度はあふれた水の体積=石の体積という別の測り方になります。
2000年以上前からある測り方
この方法、じつはとても古い発明です。昔のギリシャの学者アルキメデスは、王様から「この王冠が純金かどうか、壊さずに調べよ」と命じられました。王冠のような複雑な形の体積は、どう測ればいいのか——悩んだ末、お風呂に入ったとき、湯があふれるのを見て「沈めれば体積が分かる!」とひらめき、喜びのあまり裸で飛び出した——と伝えられています。
みなさんがいま学んだのは、2000年以上使われ続けている、本物の測り方なのです。
覚え方 — 「上がった分が、石の分」
- 水面が上がるのは、水が増えたからではなく場所を取られたから。
- 石の体積=上がった高さ×底面積。上がった分の水は「薄い箱」だと思えば、かけ算できる。
- 形がどんなにでこぼこでも、水が代わりに数えてくれる。ぜんぶ沈めるのだけ忘れずに。
公式で測れない形に出会ったら、水にまかせてみる——測り方は、ひとつではないのです。